
不乾性油:美肌への贈り物
空気に触れても固まらない油のことを、不乾性油といいます。乾性油のように固まることなく、いつまでも液体の状態を保ちます。この油は、植物から採れる油の中でも、ヨウ素価と呼ばれる数値が100以下のものに分類されます。ヨウ素価とは、油に含まれる不飽和脂肪酸の量を表す目安で、この数値が低いほど、油は空気に触れても酸化しにくく、固まりにくい性質を持つのです。
身近なところでは、オリーブの果実から採れるオリーブ油や、椿の種子から採れる椿油、マカデミアナッツの実から採れるマカデミアナッツ油、ひまし油などが不乾性油にあたります。これらの油は、酸化しにくい性質を持っているため、長期間保存しても品質が変わりにくいという利点があります。また、肌への刺激も少ないため、肌の弱い方にも安心して使うことができます。
不乾性油は、その性質から、様々な用途に利用されています。例えば、オリーブ油は食用油としてだけでなく、肌や髪のお手入れにも使われます。椿油も同様に、髪に艶を与えるために使われてきました。マカデミアナッツ油は、肌への浸透力が高いことから、マッサージオイルや美容液にも配合されています。ひまし油は、粘度が高いため、保湿クリームやリップクリームなどに用いられています。このように、不乾性油は、私たちの生活の中で様々な形で役立っているのです。それぞれの油の特徴を理解し、目的に合わせて使い分けることが大切です。