
化粧品の特殊容器:多様な形態と機能
化粧品に使われる筆式容器は、中身の濃さや用途によって様々な種類があります。大きく分けて、水のようにさらさらした化粧水のような液体、クリームのような少し固めのもの、マニキュアのようなとろみのある液体、この三つの濃さに合わせて容器の構造が工夫されています。
まず、水のようなさらさらした液体の化粧品、例えば液体のアイライナーなどに用いられる容器は、万年筆と似た仕組みです。万年筆のように、毛細管現象を利用して筆先に液体を送り出します。筆の部分は、樹脂繊維やポリウレタンといった素材で作られており、しなやかで液体を均一に塗布することができます。また、ペンのお尻をカチカチと押すことで液体を送り出すタイプもあります。このタイプは、使いたい時に必要な量だけ液体を出すことができるので、無駄なく使えます。
次に、クリームのような少し固めの化粧品、例えば口紅やファンデーションなどに用いられる容器は、筆の後ろ側に中身が入っています。このタイプの容器には、ノック式のボタンや回すタイプのボタンが付いています。ボタンを押したり回したりすることで、ピストン運動によって中身が押し出され、筆先から出てくる仕組みです。中身が固いため、空気に触れにくく、品質を保ちやすいという利点があります。
最後に、マニキュアのようなとろみのある液体の化粧品に用いられる容器は、マーカーペンの仕組みと似ています。筆先を押し当てると弁が開き、液体が筆先に染み込むようになっています。容器の中には、小さな金属の玉が入っていることが多く、これは中身をかき混ぜて均一な状態を保つための工夫です。マニキュアのように、時間が経つと成分が分離しやすい液体に適した構造です。
このように、筆式容器は化粧品の用途や種類に合わせて様々な工夫が凝らされており、使う人の使いやすさや化粧品の品質保持のために、それぞれ最適な構造が選ばれています。