
肌の潤いを守る立役者、フィラグリン
私たちの肌は、常に乾燥という敵と戦っています。紫外線や空気の乾燥、季節の移り変わりなど、肌の水分を奪う原因は様々です。特に、冬場は空気が乾燥し、肌の水分が蒸発しやすくなるため、乾燥による肌トラブルが起こりやすくなります。また、夏場は強い紫外線によって肌がダメージを受け、水分を失いやすくなります。さらに、エアコンの風も肌の乾燥を加速させる要因の一つです。
しかし、私たちの肌は、本来、自ら潤いを保つ力を持っています。この力の源となっているのが、天然保湿因子(NMF)と呼ばれる成分です。NMFは、肌の表面にある角層細胞の中に存在し、スポンジのように水分を抱え込み、保持する役割を担っています。NMFは、様々な成分から構成されていますが、その中でも主要な成分の一つが、フィラグリンと呼ばれるたんぱく質です。
フィラグリンは、角層細胞の中で分解され、アミノ酸などの保湿成分を生み出します。これらの保湿成分がNMFの主成分となり、肌の水分を保持する働きを助けます。フィラグリンが不足すると、NMFの生成が滞り、肌の保湿機能が低下してしまいます。その結果、肌は乾燥しやすくなり、かさつきや粉吹き、ひび割れなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。また、バリア機能が低下することで、外部からの刺激を受けやすくなり、炎症やかゆみなどの症状が現れることもあります。
健康な肌を保つためには、フィラグリンを生成する力を維持することが重要です。バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、肌の健康を維持しましょう。また、保湿効果の高い化粧水や乳液などで肌の水分を補い、乾燥から肌を守りましょう。洗顔の際は、ゴシゴシこすらず、優しく洗うように心がけてください。洗顔料は、洗浄力の強すぎるものは避け、肌に優しいものを選びましょう。タオルで顔を拭く際も、ゴシゴシこすらず、優しく押さえるようにして水分を拭き取ってください。