
キサンタンガム:化粧品の縁の下の力持ち
とろみのある化粧水や、なめらかなクリーム。使った時に、心地よいと感じたことはありませんか?これらの使い心地の良さを支えているのが「ねばねば成分」です。この記事では、化粧品でよく使われるねばねば成分の一つ、「キサンタンガム」について詳しく見ていきましょう。
キサンタンガムとは、土の中に住むキサントモナス属という微生物が、糖分を食べて作り出す、ねばねばとした成分のことです。まるで微生物が作った天然の糊のようなものです。この微生物は、糖分を栄養にして、体外にねばねばした物質を分泌します。このねばねば成分こそがキサンタンガムの元となる多糖類です。この多糖類を集めて、乾燥させ、粉末状にしたものが、私たちが製品の中で目にするキサンタンガムです。つまり、天然由来の成分なのです。
このキサンタンガムは、水に溶かすと、高い粘度を示します。この性質を利用して、様々な製品に活用されています。食品では、ドレッシングのとろみ付けに使われたり、プリンやゼリーの食感調整に役立ったりしています。また、化粧品では、化粧水のとろみをつけたり、クリームの滑らかな使い心地を実現するために配合されたりしています。少量加えるだけで、製品の粘度や安定性を向上させることができるため、様々な場面で重宝されているのです。
一見、地味な存在に見えるキサンタンガムですが、実は製品の使い心地や品質を向上させる上で、なくてはならない重要な役割を担っています。とろみのある化粧水が好き、なめらかなクリームが好き、そんな風に感じたことがある人は、キサンタンガムのおかげかもしれません。普段何気なく使っている製品の裏側には、こんな小さな働き者が隠れていることを、ぜひ覚えておいてください。