
美肌の秘密兵器!カオリン徹底解説
陶磁器の原料として有名な「カオリン」は、自然が生み出した粘土鉱物です。白、あるいはそれに近い色の粉末状で、その名前は中国の景徳鎮付近にある「高嶺」という地域に由来します。かつてこの地で、上質な磁器を作るための原料として採掘されていたことから、この名前が付けられました。現在では中国だけでなく、アメリカ、イギリスなど世界各地で産出されています。
カオリンの主成分は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、そして水です。雲母(うんも)や滑石(かっせき)といった他の粘土鉱物とは異なり、カオリンは中性から酸性の性質を示します。この性質も、他の粘土鉱物とカオリンを区別する重要な点です。
顕微鏡で観察すると、カオリンは薄い板状の結晶が何層にも重なり合った構造をしています。まるで、紙を何枚も重ねたような姿を想像してみてください。この独特な構造こそが、カオリンの優れた吸油性、吸水性を生み出す秘密です。表面積が大きいため、油や水をしっかりと抱え込むことができるのです。
この優れた吸油性、吸水性から、カオリンは様々な分野で活用されています。例えば、化粧品では、ファンデーションやおしろいに配合され、余分な皮脂を吸収し、肌をさらさらに保つ効果を発揮します。また、医薬品では、整腸剤として用いられることもあります。その他、塗料、紙、セラミックスなど、その用途は多岐に渡ります。古くから陶磁器の原料として利用されてきたカオリンは、現代社会においても様々な形で私たちの生活を支えているのです。