
デオドラント化粧品:選び方と使い方
体のにおいは、汗を出す管から出る汗が皮膚の表面にいる菌によって分解され、空気に触れて変化することで生まれます。汗自体は出たばかりの時はにおいがありませんが、時間が経つにつれて菌の働きでにおいを発するようになります。このにおいの元となる成分は、小さな有機酸やアルデヒド、ステロイドなどです。これらは、皮脂やタンパク質が菌によって分解される過程で生成されます。
さらに、近ごろでは体の中にある鉄分がアルデヒドの分解を促し、においを発生させる仕組みも分かってきました。鉄分は、アルデヒドを分解する酵素の働きを助けるため、鉄分が多いほどにおいが強くなる可能性があります。また、年を重ねるにつれて増えてくる「2-ノネナール」という物質が中高年特有の体のにおいの原因物質であることが分かり、これを抑えるためのにおい消しも売られています。2-ノネナールは、皮脂に含まれるパルミトレイン酸が酸化することで生成されます。
においを抑える化粧品は、これらのにおいが発生する仕組みに対して効果を発揮します。例えば、殺菌作用のある成分は皮膚の菌の増殖を抑え、においの発生を防ぎます。制汗作用のある成分は汗の分泌を抑え、においの元となる汗の量を減らします。吸着作用のある成分はにおい成分を吸着し、においを閉じ込めます。また、香り成分を配合することで、においをマスキングしたり、良い香りを付けたりすることもできます。近年では、2-ノネナールなどの特定のにおい成分を分解したり、中和したりする成分が配合された商品も開発されています。このように、様々なアプローチで体臭対策を行うことができます。