プルラン

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プルラン:化粧品の頼れる多糖類

プルランとは、天然由来の糖質の一種で、ブドウ糖が多数連結した構造を持っています。ブドウ糖は、私たちが普段口にする砂糖やでんぷんなどにも含まれる、生物にとって重要なエネルギー源です。このブドウ糖が鎖のように長くつながったものが多糖類と呼ばれ、プルランもその仲間です。つながるブドウ糖の数は、数百から数千と様々で、この鎖の長さの違いがプルランの性質に影響を与えます。 プルランは、プルラリア属という名の微生物によって作られます。この微生物は、糖を栄養源として育ち、その過程でプルランを体外に分泌します。まるで微生物がプルランを生み出しているように見えるため、この方法は発酵生産と呼ばれています。発酵生産は、自然の力を利用した方法で、環境への負担が少ない持続可能な生産方法として注目を集めています。工場などで人工的に物質を合成するよりも、環境に優しく、安全な方法と言えるでしょう。 生成されたプルランは、白色の粉末状で、味や匂いはほとんどありません。水に溶けやすく、水溶液は粘り気を持ちます。また、酸性の環境でも安定しており、熱にも強いという特徴があります。さらに、プルランは膜を作る性質にも優れており、薄い透明な膜を作ることができます。この膜は、酸素を通しにくいため、食品の鮮度保持に役立ちます。 これらの優れた性質から、プルランは様々な分野で活用されています。食品分野では、増粘剤や安定剤、被膜剤などとして使われています。また、化粧品分野では、保湿剤や乳化安定剤として配合されています。さらに、医薬品分野でも、カプセル材などに利用されています。このように、プルランは私たちの生活の様々な場面で役立っているのです。
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プルラン:天然由来の多糖類の魅力

プルランとは、ぶどう糖がいくつもつながってできた多糖類のことを指します。ぶどう糖が3つ連なったマルトトリオースという単位が、鎖のようにたくさんつながることでプルランは作られます。このマルトトリオース同士のつながり方を「α-1,6結合」と呼び、つながりの数は100から5000ほどと、種類によって様々です。この構造から、3つのぶどう糖から成る多糖という意味で、トリグルコ多糖とも呼ばれています。 自然界では、プルラリア属のカビがプルランを作り出します。このカビは、空気中や土壌など、様々な場所に生息しています。代表的な菌としては、プルラリア・ファーメンタンスやプルラリア・フスカなどがあげられます。これらのカビが、ぶどう糖などを栄養源として成長する過程で、プルランを生成するのです。 プルランは、白色の粉末状で、味や匂いはほとんどありません。また、水によく溶ける性質を持っています。この性質を生かして、食品や化粧品、医薬品など、様々な分野で利用されています。プルランを得るためには、ショ糖やぶどう糖、麦芽糖、マンノース、果糖などを栄養源としてカビを培養します。特に、でんぷんを分解したものを栄養源にすると、より多くのプルランが得られることが知られています。これは、でんぷんがぶどう糖からできているため、カビが効率よく栄養を取り込んで成長できるからです。このように、プルランは自然界の微生物の働きによって作られる、安全で様々な用途を持つ物質と言えるでしょう。