
光干渉の不思議:化粧品が生み出す色の魔法
光は、水面の波紋のように広がる性質、つまり波としての性質を持っています。複数の光が重なり合うと、まるで波紋同士がぶつかり合うように、互いに影響を与え合い、強めあったり弱めあったりする現象が起こります。これを「光の干渉」と言います。この不思議な現象は、イギリスの科学者、ヤングさんによって1801年に発見されました。
ヤングさんは、光を遮る板に細い二つのすき間を作り、そこに光を当てて、その光がどのように伝わるのかを観察する実験を行いました。もし光が粒のようなものだとしたら、すき間を通った光はそのまま直進し、スクリーンには二つの明るい線が現れるはずです。しかし、実際にはスクリーンには、明るい縞模様と暗い縞模様が交互に現れました。これは、二つのすき間を通った光が波のように広がり、互いに干渉し合ったためです。二つの波の山同士が重なると、波は高くなり、光は強くなって明るく見えます。逆に、山の部分と谷の部分が重なると、波は打ち消し合い、光は弱くなって暗く見えます。このように、スクリーンに明るい縞と暗い縞が交互に現れるのは、光が波の性質を持っている証拠なのです。
光の干渉は、私たちの身の回りでも見ることができます。例えば、シャボン玉の表面は、薄い膜でできています。この膜の内側と外側で反射した光が干渉することで、虹のような美しい色彩が現れます。また、CDやDVDの表面にも、微細な溝が刻まれており、これも光の干渉を利用して情報を記録し、読み取っています。ヤングさんの発見した光の干渉は、光の本質を理解する上で非常に重要な発見であり、現代の科学技術にも広く応用されています。