
炎症と美容
炎症とは、体に害を及ぼす刺激が体の中に入ってきたり、体の中で生まれたりした時に起こる、一部分だけの反応のことです。これは、刻々と変化する複雑な反応がつながって起こるもので、体の調子を整える機能の一つとも言えます。この反応のおかげで、体に良くない刺激を見つけて取り除き、組織の働きや形を元通りにして保つことができます。
例えば、ばい菌やウイルスなどが体の中に入ってくると、炎症が起こります。これは、体がこれらの病原体と戦っている証拠です。炎症が起こると、患部は赤くなったり、腫れたり、熱を持ったり、痛みを感じたりします。これは、血管が広がって血流が増え、免疫細胞が患部に集まって病原体と戦っているためです。また、アレルギー反応を起こしやすい物質に触れたり、けがをしたりした場合にも炎症が起こります。花粉症による鼻水やくしゃみ、切り傷や擦り傷による腫れや痛みも、炎症反応の一種です。
しかし、炎症反応が強すぎると、体に悪い影響を与えることもあります。自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患などがその例です。このような過剰な炎症は病気の引き金となるため、きちんと治療する必要があります。例えば、リウマチなどの病気は、過剰な炎症反応が関節などを攻撃することで起こります。また、炎症が長く続くと、組織の修復がうまくいかず、慢性的な痛みや機能障害につながることもあります。
炎症を起こす原因は様々です。ばい菌やウイルスなどの感染の他、アレルギー反応を起こすもの、組織を傷つける刺激などがあります。特に、外からの刺激で皮膚に炎症が起きることを接触皮膚炎と言います。これは、特定の物質に触れることで皮膚が赤く腫れ上がり、かゆみや痛みを伴うことがあります。化粧品や金属などが原因となることが多く、原因物質を特定し、接触を避けることが重要です。