
皮膚温と健康と美容の関係
肌の表面の温度は、読んで字のごとく皮膚温と呼ばれます。これは、体の内部の温度、つまり体温とは少し違います。体温は、健康な状態であればほぼ一定に保たれていますが、皮膚温は、周りの環境や体の状態によって変化しやすい特徴があります。
例えば、気温を考えてみましょう。暑い日に外を歩くと、周りの空気の温度が高いので、肌の表面も温められて皮膚温は上がります。反対に、寒い日に外を歩くと、周りの空気の温度が低いので、肌の表面の熱が奪われ、皮膚温は下がります。
着ている服も皮膚温に影響を与えます。厚着をすると、服が断熱材のような役割を果たし、体の熱が外に逃げにくくなるため、皮膚温は上がります。逆に、薄着をすると、体の熱が外に逃げやすくなるため、皮膚温は下がります。
皮膚温は、周りの環境だけでなく体の内部の状態も反映します。激しい運動をした後には、体内で熱が産生されるため体温が上がり、それに伴って皮膚温も上昇します。また、緊張したり興奮したりすると、自律神経の一つである交感神経が活発になり、血管が縮んで血流が抑えられます。すると、体の表面に流れる血液の量が減るため、皮膚温は低下します。
このように皮膚温は、様々な要因によって変化するため、常に一定ではありません。周りの気温や着衣、運動、感情の変化など、様々な要因が皮膚温に影響を与えることを理解しておくことが大切です。また、皮膚温の変化を知ることで、体の状態をある程度把握することも可能になります。