制汗剤

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多様な活躍を見せるクロルヒドロキシアルミニウム

水酸化塩化アルミニウムという物質について詳しくご説明します。これは、アルミニウムに塩素と水を反応させてできる化合物で、別名塩化水酸化アルミニウムとも呼ばれます。見た目は、白い粉末状、あるいは透明な固体状で、においはありません。水に触れるとゼリー状に変化するという、大変興味深い性質を持っています。 このゼリー状に変化する性質は、様々な製品に活用されています。特に、制汗剤には欠かせない成分となっています。汗の出口を塞いで汗を抑える働きがあるため、汗による不快感を和らげることができます。例えば、ワキ汗や足の汗を抑えるスプレーやロールオンタイプ、スティックタイプの制汗剤などに広く使われています。 また、水酸化塩化アルミニウムには、肌を引き締める効果もあります。この効果を収れん作用と言います。肌の表面にある毛穴を引き締めることで、肌のきめを整え、滑らかにする効果が期待できます。そのため、化粧水やクリームなどにも配合されています。肌のべたつきを抑え、さっぱりとした使い心地になります。 このように、水酸化塩化アルミニウムは、汗を抑える効果と肌を引き締める効果という二つの大きな特徴を持っています。その特性を生かして、制汗剤だけでなく、化粧水やクリームなど、様々な化粧品に利用されています。近年、安全性について議論されていますが、多くの研究で安全性が確認されており、適切な量で使用すれば問題ないとされています。安心して使える成分の一つと言えるでしょう。 ただし、肌が敏感な方は、使用前にパッチテストを行うなど、注意が必要です。また、使用後に赤みやかゆみなどの症状が出た場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。
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ミョウバンの隠れた魅力:化粧品での役割

みょうばんとは、正式には硫酸カリウムアルミニウムと呼ばれる、透き通るか白色をした結晶状の物質です。においはなく、八面体の形をしています。古くから様々な用途に利用されてきた歴史のある物質で、化粧品だけでなく、食品にも使われています。 私たちの身近なものでは、漬物を作る際に野菜の色落ちを防いだり、歯ごたえをよくするために使われています。また、ベーキングパウダーにも含まれており、生地をふっくらとさせるのに役立っています。その他にも、中華麺に使われることもあります。 天然のみょうばんは、みょうばん石などから得られます。透き通った結晶のまま利用されるだけでなく、乾燥させて粉末状にしたものも使われています。乾燥させると、水分を吸収する力がより強まり、肌の表面を引き締める収れん作用がより強力になります。この収れん作用は、化粧品に利用されています。汗を抑えたり、毛穴を引き締める効果が期待できるため、制汗剤や化粧水などに配合されています。 また、みょうばんは水に溶けやすいという性質も持っています。水に溶かすと、酸性を示します。この性質を利用して、染色にも使われています。布を染める際に、色を定着させる媒染剤として使用することで、鮮やかな色合いを出すことができます。 このように、みょうばんは私たちの生活の中で、様々な形で役立っているのです。古くから使われてきた知恵が、現代にも活かされていると言えるでしょう。
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デオドラント化粧品:選び方と使い方

体のにおいは、汗を出す管から出る汗が皮膚の表面にいる菌によって分解され、空気に触れて変化することで生まれます。汗自体は出たばかりの時はにおいがありませんが、時間が経つにつれて菌の働きでにおいを発するようになります。このにおいの元となる成分は、小さな有機酸やアルデヒド、ステロイドなどです。これらは、皮脂やタンパク質が菌によって分解される過程で生成されます。 さらに、近ごろでは体の中にある鉄分がアルデヒドの分解を促し、においを発生させる仕組みも分かってきました。鉄分は、アルデヒドを分解する酵素の働きを助けるため、鉄分が多いほどにおいが強くなる可能性があります。また、年を重ねるにつれて増えてくる「2-ノネナール」という物質が中高年特有の体のにおいの原因物質であることが分かり、これを抑えるためのにおい消しも売られています。2-ノネナールは、皮脂に含まれるパルミトレイン酸が酸化することで生成されます。 においを抑える化粧品は、これらのにおいが発生する仕組みに対して効果を発揮します。例えば、殺菌作用のある成分は皮膚の菌の増殖を抑え、においの発生を防ぎます。制汗作用のある成分は汗の分泌を抑え、においの元となる汗の量を減らします。吸着作用のある成分はにおい成分を吸着し、においを閉じ込めます。また、香り成分を配合することで、においをマスキングしたり、良い香りを付けたりすることもできます。近年では、2-ノネナールなどの特定のにおい成分を分解したり、中和したりする成分が配合された商品も開発されています。このように、様々なアプローチで体臭対策を行うことができます。
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デオドラント化粧品:においケアのすべて

体臭は、多くの人が抱える悩みの種です。周囲を気にしたり、自身で不快に感じたりと、生活の質を下げる要因にもなりかねません。体臭が発生する仕組みを理解し、適切な対策を講じることで、この悩みを軽減できる可能性があります。 まず、体臭の主な原因は汗にあります。汗自体は分泌されたばかりの時は無臭です。しかし、皮膚の表面に存在する常在菌が、汗に含まれる成分を分解したり酸化させたりすることで、臭いが発生し始めます。具体的には、汗に含まれる脂肪酸やタンパク質、尿素などが、常在菌によって分解され、低分子有機酸やアルデヒド、ステロイドなどの臭いのもととなる物質に変化します。これらの物質が混ざり合うことで、いわゆる体臭として認識されるようになります。 体臭には様々な種類がありますが、年齢を重ねるにつれて変化することも知られています。例えば、中高年になると「加齢臭」と呼ばれる独特の臭いが発生することがあります。この加齢臭の原因物質は、2-ノネナールという物質です。2-ノネナールは、皮脂腺から分泌される脂肪酸が酸化分解されることで生成されます。年齢とともに皮脂の酸化が促進されるため、2-ノネナールの発生量も増加し、加齢臭が強くなる傾向があります。この2-ノネナールを減少させることを目的とした消臭剤なども市販されていますので、気になる方は試してみると良いでしょう。 さらに、近年の研究では、体内の鉄分が体臭に影響を与えることも明らかになってきました。体内に過剰に存在する鉄分は、アルデヒドの分解を促進し、結果として臭いを強くする可能性があります。鉄分の摂取量を調整することも、体臭対策の一つと言えるでしょう。 このように、体臭の発生には汗や常在菌、加齢による変化、体内の鉄分など、様々な要因が複雑に関係しています。それぞれのメカニズムを理解し、適切な対策をすることが、体臭の悩みを解決する鍵となります。
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気になるワキの臭い対策

脇から発生する気になる臭いは、大きく分けて汗が原因となるものと、体質によるものとの二種類に分けられます。汗そのはじつは元々は臭いを持ちません。肌の表面に常在する微生物が、汗に含まれている成分を分解することで、特有の臭いが生まれます。汗を出す汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の二種類があり、特にアポクリン汗腺から出る汗は脂肪やたんぱく質などの成分が豊富です。微生物にとってこれらは格好の栄養源となるため、分解が活発になり、強い臭いを発生させやすいのです。 体質による臭いは、皮脂腺から出る皮脂が空気に触れて酸化したり、肌に住む常在菌と反応することで発生します。体質による臭いは、日々の食事や生活の仕方、生まれ持った体質などの影響を受けるため、一人一人異なります。また、脇が臭う体質を指す言葉として知られる「ワキガ」は、アポクリン汗腺から出る汗に含まれる脂肪酸やアンモニアなどが原因で発生します。ワキガは遺伝的な要素が大きく影響し、思春期を迎えてから臭いが強くなる場合が多く見られます。 汗による臭いを抑えるには、清潔を心がけることが大切です。こまめにシャワーを浴びたり、汗拭きシートで拭いたりして、清潔な状態を保ちましょう。また、通気性の良い衣服を選ぶことも効果的です。体質による臭い対策としては、バランスの良い食事を摂ること、十分な睡眠をとること、ストレスを溜めないようにすることが大切です。さらに、制汗剤やデオドラント製品を使用することも効果的です。製品の種類も豊富なので、自分に合ったものを選びましょう。 ワキガの臭いが特に強い場合は、医療機関への相談も検討してみましょう。医師の診察を受け、適切な治療を受けることで、臭いを軽減することができます。手術による治療法もあるので、深刻に悩んでいる方は一度相談してみるのも良いかもしれません。
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塩化アルミニウム:かつての制汗剤

{塩化アルミニウムは、いくつかの種類があり、それぞれ性質が異なります。}大きく分けると、水を含んでいない無水塩と、水を含んだ六水和物があります。化粧品によく使われてきたのは、六水和物の方です。 六水和物の塩化アルミニウムは、白色から薄い黄色の結晶で、形は三方晶系という、三角柱を斜めに切ったような形をしています。この結晶は、空気中の湿気をよく吸う性質があります。これを潮解性といいます。湿気を吸うと、結晶の表面が濡れたようになり、時間が経つと溶けて水溶液になります。 この六水和物は、水によく溶けるだけでなく、お酒の成分であるエタノールや、保湿剤として使われるグリセリンにもよく溶けます。色々な液体に溶ける性質も、化粧品で利用しやすい理由の一つです。 塩化アルミニウムの大きな特徴として、収れん作用があります。収れん作用とは、肌や粘膜を縮める作用のことです。この作用が強いので、肌を引き締める効果が期待できます。汗を抑える効果も期待できるので、制汗剤などにも利用されてきました。このように、塩化アルミニウムは、色々な性質を持つため、様々な化粧品に役立てられています。
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ミョウバンの力:美肌効果と多様な用途

みょうばんとは、正式には硫酸カリウムアルミニウムと呼ばれる、透明もしくは白色の結晶のことを指します。においはなく、美しい八面体の形をしています。このみょうばん、そのまま空気中に置いておくと、表面が風化し白っぽく不透明な見た目へと変化していく性質があります。また、100度以上に加熱すると乾燥し、白い粉末状になります。水やグリセリンにはよく溶けますが、エタノールにはほとんど溶けません。水に溶かすと、その溶液は弱い酸性を示します。 みょうばんは、天然の鉱物であるみょうばん石や、ボーキサイト、氷晶石などを原料として作られます。みょうばん石は、火山活動に由来する温泉地帯や硫黄鉱山などに存在します。ボーキサイトはアルミニウムの原料となる鉱石で、世界各地で採掘されています。氷晶石は、グリーンランドなどで産出される比較的希少な鉱物です。これらの原料から、様々な工程を経てみょうばんが精製されます。 みょうばんは、古くから私たちの生活の中で様々な用途に活用されてきました。食品添加物として、漬物などの製造過程で、野菜の組織を固くしたり、発色をよくするために用いられています。また、上水道の浄化にも利用されています。水に溶けるとアルミニウムイオンが生成され、これが水中の微細な不純物と結合して沈殿するため、水をきれいにすることができます。さらに、染色の分野でも、媒染剤として布地に染料を定着させる役割を果たしています。他にも、消臭剤や制汗剤、皮なめし、防水加工など、幅広い分野で利用されています。このように、みょうばんは私たちの生活に欠かせない、身近で多様な使い方ができる物質なのです。
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気になるワキの臭い対策

脇の下の独特な臭い、いわゆる「わきが」は、多くの人が気にしている体の悩みの一つです。わきがの主な原因は、アポクリン腺という汗腺から出る汗にあります。この汗腺は、脇の下以外にも耳の中や陰部などにも存在し、普通の汗腺であるエクリン腺とは異なる汗を出します。エクリン腺から出る汗は、ほとんどが水分で体温調節の役割を担いますが、アポクリン腺から出る汗は脂質やタンパク質、アンモニアなどを多く含んでいます。 このアポクリン腺から出る汗自体は、分泌されたばかりの時は無臭です。しかし、皮膚の表面には常に様々な種類の細菌が住み着いており、これらの細菌が汗に含まれる成分を分解することで、独特の臭いが発生します。例えるなら、牛乳が腐敗して臭いを発するのと似たような現象と言えるでしょう。 わきがになりやすい体質は、遺伝によって受け継がれる傾向があります。両親のどちらかがわきが体質の場合、子供もわきが体質になる可能性が高くなります。また、食生活もわきがの臭いに影響を与えます。肉類や脂っこい食事、刺激の強い香辛料などを多く摂ると、汗に含まれる成分も変化し、臭いが強くなることがあります。 生活習慣もわきがに関係しています。ストレスを多く感じている人や、睡眠不足の人は、ホルモンバランスが乱れやすく、アポクリン腺の働きが活発になる傾向があります。結果として、汗の量が増え、臭いも強くなる可能性があります。また、普段から清潔にしていないと、皮膚の表面に細菌が増殖しやすくなり、わきがの臭いを悪化させる原因になります。こまめな入浴や、清潔な衣類を身につけることは、わきが対策として非常に大切です。
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噴射の力:エアゾール製品の魅力

霧状に吹き付ける化粧品は、特別な容器を使って中身を細かい霧状にしています。この容器は、普段私たちが目にするスプレー缶のようなものです。中には化粧品と、それを押し出すための圧縮された気体の二種類が入っています。 化粧品は、液状やクリーム状など、様々な種類があります。この化粧品と一緒に、液化石油ガスやジメチルエーテル、二酸化炭素といった気体が、閉じ込められています。これらの気体は、常温では気体ですが、圧力をかけると液体になる性質を持っています。そのため、小さな容器の中に、たくさんの気体を閉じ込めることができます。 缶の頭についているボタンを押すと、何が起こるのでしょうか。ボタンを押すと、容器の中に閉じ込められていた圧縮された気体が、一気に解放されます。この勢いを利用して、化粧品が細い管を通って押し出されるのです。管の先端は、小さな穴が開いたノズルになっています。このノズルを通ることで、化粧品は霧状に変化します。まるで霧吹きで水をまくように、均一に広がり、対象物に付着します。 以前は、フロンガスと呼ばれる気体を使用していました。しかし、フロンガスは環境に悪影響を与えることが分かり、現在では使用されていません。液化石油ガスやジメチルエーテル、二酸化炭素などは、フロンガスに代わる、環境への負担が少ない物質です。 このように、圧縮された気体の力を使って化粧品を霧状に噴射する仕組みのおかげで、私たちは手軽に、そしてムラなく均一に化粧品を使うことができるのです。
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快適な素肌を保つ打粉の秘密

打粉とは、お肌の余分な水分や汗、皮脂などを吸い取って、清潔な状態を保つための粉状の化粧品です。体につけるものが多く、最近は体粉と呼ばれるのが一般的です。 主な成分は、滑石や酸化亜鉛、澱粉、雲母、二酸化ケイ素などです。これらの成分が肌の表面を覆うことで、さらさらとした感触を与えます。汗や皮脂によるべたつきを抑え、肌を清潔に保つことで、肌荒れを防ぐ効果も期待できます。 昔から、赤ちゃんのおむつかぶれを防ぐために使われてきました。また、汗をかきやすい夏場や、スポーツの後などにも活用されます。特に、皺になりやすい部分や、衣類との摩擦が気になる部分に使うと、肌を守り、快適に過ごすことができます。 近年では、様々な効果を持つ打粉が登場しています。例えば、殺菌作用のある成分を配合したものは、肌を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑える効果があります。保湿成分を配合したものは、肌の乾燥を防ぎ、しっとりとした状態を保ちます。また、制汗作用や消臭作用のある成分を配合したものは、汗の臭いを抑え、爽やかな香りで包み込んでくれます。さらに、清涼感のある成分を配合したものは、暑い時期にひんやりとした使い心地を提供します。 このように、打粉は様々な種類があり、それぞれの肌質や悩みに合わせて選ぶことができます。自分に合った打粉を使うことで、より快適な毎日を送ることができるでしょう。
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アラントインクロルヒドロキシアルミニウム:肌と歯茎を守る

肌荒れを防ぎ、健康な肌を保つために役立つ成分として、最近注目を集めているのがアラントインクロルヒドロキシアルミニウムです。別名アルクロキサとも呼ばれるこの成分は、アラントインを原料として作られた、白い粉のような見た目で、特に匂いはありません。 この成分は、肌の細胞の成長を促す力を持っています。傷ついた肌を修復し、新しく健康な細胞を作り出すのを助けるため、肌荒れを防ぐ効果が期待できます。さらに、肌を引き締める作用もあり、ハリのある若々しい印象の肌へと導きます。 手の湿疹や掌蹠膿胞症といった、手や足に水ぶくれのような湿疹ができる皮膚の病気にも、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムは効果を発揮します。これらの症状は、強い痒みや痛みを伴うことが多く、日常生活にも支障をきたすことがあります。この成分は、炎症を抑え、肌の再生を促進することで、症状の改善を助けます。 口の中の健康維持にも、この成分は役立ちます。歯茎の炎症を抑える作用があるため、歯周病の予防に繋がります。歯周病は、歯茎が炎症を起こし、最終的には歯が抜けてしまう可能性のある病気です。日頃から歯茎の健康に気を配り、適切なケアを行うことが重要です。アラントインクロルヒドロキシアルミニウム配合の歯磨き粉などを使用することで、歯茎の健康を保ち、歯周病を予防する効果が期待できます。 このように、アラントインクロルヒドロキシアルミニウムは、肌のトラブルから口の中の健康まで、幅広い分野で私たちの健康を支えてくれる多機能な成分と言えるでしょう。様々な製品に配合されているため、ご自身の悩みに合わせて適切な製品を選んでみてください。
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制汗剤のすべて

汗のにおいを抑えるための道具、制汗剤。その歴史は意外と浅く、20世紀初頭のアメリカで始まりました。当時、汗を抑えるために使われていたのは塩化アルミニウムという物質です。汗腺を収縮させる働きにより、汗の分泌を抑えることができました。しかし、この初期の制汗剤には大きな欠点がありました。肌に刺激が強く、ひりひりしたり、かぶれたりする人が多かったのです。また、衣服に使うと変色したり、生地が傷んだりすることもありました。そのため、使い続けるのが難しいものでした。 人々がより使いやすい制汗剤を求める中、1947年に画期的な改良が加えられました。部分的に中和された塩化アルミニウム水和物が開発されたのです。この新しい成分は、従来のものに比べて肌への刺激が少なく、使う前に中和する必要もありませんでした。使い勝手が大きく向上したことで、広く普及し、現在でも多くの制汗剤に使われています。 その後、1970年代のアメリカでは、さらに効果の高い塩化アルミニウム-ジルコニウム複合塩が開発されました。汗を抑える効果がより高く、長持ちするという画期的な成分でした。しかし、動物実験でこの成分を吸い込むと肺に影響が出る可能性が示唆され、エアゾールタイプの製品への使用は禁止されることになりました。日本では、安全性を重視し、この成分は使用されていません。現在、様々な種類の制汗剤が販売されていますが、効果や安全性、使い心地など、それぞれの製品の特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
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化粧品における亜鉛の役割

亜鉛という金属と酸が結びついてできた物質をまとめて亜鉛塩と呼びます。化粧品に使われる亜鉛塩は、主に油脂を構成する成分である脂肪酸と亜鉛が結びついた脂肪酸亜鉛です。脂肪酸の種類は様々で、炭素の数の違いによって、常温で固体か液体か、といった性質も変わってきます。 例えば、ステアリン酸やパルミチン酸などは炭素の数が多い脂肪酸で、常温では固体です。これらはロウソクのロウのような質感というとイメージしやすいかもしれません。一方、ラウリン酸は炭素の数が少なく、常温では液体です。サラサラとした油のようなイメージです。 これらの脂肪酸と亜鉛が結びつくことで、化粧品に様々な効果をもたらす亜鉛塩が生まれます。代表的なものに、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛などがあります。これらの亜鉛塩はいずれも白い粉のような見た目で、水には溶けにくい性質を持っています。 ステアリン酸亜鉛は、ファンデーションやアイシャドウなどのメイクアップ化粧品に配合され、滑らかさを与えたり、粉体のつきをよくする効果があります。また、日焼け止めなどにも含まれ、紫外線散乱剤の役割も果たします。肌へのなじみを良くし、塗り心地を向上させる効果も期待できます。 パルミチン酸亜鉛もステアリン酸亜鉛と同様に、メイクアップ化粧品やスキンケア化粧品に配合され、滑らかさや感触の向上に役立ちます。さらに、乳液やクリームのような乳化剤としても使われています。 ラウリン酸亜鉛は、洗顔料やボディソープなどに配合され、泡立ちを良くしたり、洗浄力を高める効果があります。また、デオドラント製品にも含まれ、体臭を抑える働きも期待できます。 このように、亜鉛塩は化粧品の中で様々な役割を果たし、使い心地や機能性を高めるために欠かせない成分となっています。それぞれの亜鉛塩の特性を理解することで、化粧品選びの際に役立つでしょう。
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化粧品における亜鉛塩の役割

亜鉛という金属と酸が結びついてできる物質を、まとめて亜鉛塩と呼びます。亜鉛塩は私たちの暮らしの中で、実に様々な場面で役立っています。例えば、電気を作る乾電池の中には塩化亜鉛という亜鉛塩が使われていますし、傷口を消毒する過酸化亜鉛も亜鉛塩の一種です。 化粧品に使われている亜鉛塩は、主に脂肪酸亜鉛と呼ばれるものです。脂肪酸というのは、油脂を構成する成分で、種類によって性質が異なってきます。結びつく脂肪酸の種類によって、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛など、様々な種類の脂肪酸亜鉛が存在します。これらはみな、白い細かい粉のような見た目をしていて、化粧品に様々な機能をプラスする大切な成分です。 脂肪酸亜鉛は、ファンデーションに含まれると、肌への密着感を高め、化粧崩れを防ぐ効果を発揮します。また、余分な皮脂を吸着することで、肌のべたつきを抑え、さらさらとした感触を保つのに役立ちます。さらに、紫外線による肌への負担を軽減する効果も期待できます。これらの特性から、脂肪酸亜鉛は、ベビーパウダーやおしろい、ファンデーションなど、様々な化粧品に配合されています。 また、脂肪酸亜鉛は、制汗剤にも配合されることがあります。汗と混ざると、肌表面に薄い膜を作り、汗の蒸発をコントロールすることで、汗の量を調整する効果が期待できます。 このように、脂肪酸亜鉛は、様々な化粧品に配合され、私たちの肌を美しく保つために役立っています。化粧品の成分表示を確認すると、ステアリン酸亜鉛などの名前を見つけることができるでしょう。
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快適な素肌を保つ打粉の秘密

打粉とは、素肌をさらりと快適な状態に整えるために使う、粉状の化粧品です。 汗や皮脂といった肌から出る分泌物を吸収し、べたつきを抑える働きがあります。昔は「打粉」と呼ばれていましたが、今では「体のおしろい」と呼ばれることが一般的です。 主な使い方はお風呂上がりやシャワーの後です。清潔になった肌に使うことで、さらさらとした気持ちの良い肌触りを保つことができます。また、汗をかきやすい季節や湿度の高い日にも、効果的にべたつきを抑えてくれます。最近ではお風呂上がりだけでなく、お出かけ前や運動の後など、様々な場面で使われるようになってきました。 体のおしろいは、用途に合わせて様々な種類が販売されています。例えば、汗を抑えることを重視した商品には、吸水性の高い成分が配合されています。また、香り付きの商品は、気分をリフレッシュしたい時や、ほんのり良い香りを身に纏いたい時におすすめです。さらに、敏感肌の方向けに開発された、低刺激性の商品も数多く販売されています。 体のおしろいは、パフを使って肌に優しくなじませるようにつけます。つけすぎると白っぽくなってしまうことがあるので、少量ずつ、丁寧に伸ばすことが大切です。また、容器から直接肌に振りかけるタイプのものもありますが、この場合もムラにならないよう注意が必要です。特に、首や背中など、自分では見えにくい部分は鏡を使って確認しながらつけると良いでしょう。 体のおしろいは、毎日の生活をより快適にするための便利なアイテムです。様々な商品があるので、自分の肌質や好みに合わせて、ぴったりの一品を見つけてみてください。日々のスキンケアに取り入れることで、清潔で心地よい肌を保つことができます。
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制汗剤のすべて

汗を抑えるための道具、制汗剤。その歴史は意外と浅く、今から百年ほど前の二十世紀初頭のアメリカで始まりました。塩化アルミニウムという物質が汗を止める効果を持つことが発見され、これが最初の制汗剤として使われるようになったのです。しかし、当時のものは使い心地が悪く、肌への負担も大きかったのです。肌がかぶれたり、服が傷んだりといった問題も多く、より良いものを作るための改良が続けられました。 それからしばらく経った千九百四十七年、大きな進歩がありました。一部を中和処理した塩化アルミニウム水和物、今で言うところの「エークエイチ(ACH)」が開発されたのです。このエークエイチは、以前のものと比べて肌への刺激が少なく、使い勝手も向上しました。中和処理の手間も省けるようになり、広く使われるようになりました。現在も多くの制汗剤でこのエークエイチが中心的な役割を担っています。 時代はさらに進み、千九百七十年代には塩化アルミニウムとジルコニウムを合わせた複合塩を使った、より効果の高い制汗剤が開発されました。しかし、動物実験でこの物質が肺に影響を与える可能性が示唆され、安全性を疑問視する声があがりました。その結果、スプレー式の制汗剤にはこの物質を使うことが禁止されることになり、日本では現在も使われていません。 このように、制汗剤は効果を高めながら、同時に安全性を確保するという、両立の難しい課題に挑戦し続けてきました。人々の快適な暮らしを支えるために、制汗剤は今もなお進化を続けているのです。
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アラントインクロルヒドロキシアルミニウム:肌と歯茎を守る

「アラントイン塩酸ヒドロキシアルミニウム」という成分について詳しく説明します。この成分は、国際的には「アルクロキサ」という名前で知られています。見た目は白い粉のような状態で、においはありません。 この成分の基となるのは「アラントイン」という物質です。アラントインは、肌の細胞が育つのを助けるとともに、傷ついた組織を修復する働きがあることで知られています。例えば、擦り傷や切り傷などが治るのを早める効果が期待できます。 アラントイン塩酸ヒドロキシアルミニウムは、このアラントインの優れた効能を受け継ぎつつ、さらに「収れん作用」という、肌や粘膜をキュッと引き締める効果も備えています。肌を引き締めることで、毛穴が目立たなくなる、肌にハリが出るなどの効果が期待できます。また、歯ぐきの炎症を抑えるのにも役立ちます。 このように、アラントイン塩酸ヒドロキシアルミニウムは、細胞の成長促進、組織の修復、そして収れん作用という3つの働きを併せ持っています。これらの働きが相乗的に作用することで、様々な肌のトラブルや歯周病といった、口の中の炎症にも効果を発揮します。 ニキビや肌荒れ、ひび、あくれといった肌のトラブルはもちろん、歯ぐきの腫れや出血など、幅広い症状に効果が期待できる、頼もしい成分と言えるでしょう。
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多機能素材!塩化アルミニウムの秘密

塩化アルミニウムは、金属のアルミニウムと塩素という物質が結びついてできた化合物です。この物質にはいくつかの種類がありますが、化粧品によく使われているのは、クロルヒドロキシアルミニウムというアルミニウムの仲間です。これは、アルミニウムの塩化物という物質を電気を流して分解することで作られます。アルミニウムクロルハイドレートと呼ばれることもあります。 見た目は白い粉のようなものや、透明で固体のものがあります。鼻を近づけても、特ににおいはありません。この物質には水に触れるとゼリーのように固まるという変わった特徴があります。この特徴のために、様々な化粧品に使われています。 例えば、制汗剤によく使われています。汗はもともとほぼ無臭ですが、皮膚の表面にいる細菌が汗を分解することで、嫌なにおいが発生します。塩化アルミニウムは、汗腺の出口を塞ぎ、汗の分泌を抑える働きがあります。そのため、細菌が増殖しにくくなり、嫌なにおいを防ぐ効果が期待できます。また、ファンデーションや口紅などの化粧品にも使われています。塩化アルミニウムは、他の成分を均一に混ぜ合わせるのを助ける役割を果たします。これによって、化粧品の質感を滑らかにしたり、均一に塗布できるようにしたりする効果があります。 安全性が高いことも、塩化アルミニウムが化粧品に広く使われている理由の一つです。もちろん、高濃度の塩化アルミニウムは皮膚への刺激がある場合もありますが、化粧品に使用される濃度は低いため、通常は安全に使用できます。ただし、肌が敏感な人などは、使用する前にパッチテストを行うなど、注意が必要です。 このように、塩化アルミニウムは、私たちの身の回りの様々な化粧品で活躍する、縁の下の力持ちのような物質と言えるでしょう。
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塩化アルミニウム:かつての制汗剤

塩化アルミニウムは、姿も性質も実に多様です。大きく分けて二つの形で存在し、水を含んでいない無水塩と、水を含んだ六水和物があります。化粧品に使われるのは、後者の六水和物です。 六水和物は、白色から薄い黄色の結晶で、光に透かしてみると、まるで氷砂糖のような透明感があります。この結晶は、三方晶系という特別な構造をしています。これは、雪の結晶のように規則正しく分子が並んでいることを意味します。 また、空気中の水分を吸収しやすい性質を持っており、これを潮解性といいます。湿気の多い場所に置いておくと、周りの水分をどんどん吸い込んで、ベタベタとした液体状に変化してしまいます。まるで吸水性ポリマーのように、周りの水分をぐんぐん取り込むのです。 さらに、水だけでなく、エタノールやグリセリンといった液体にもよく溶けます。まるで角砂糖がコーヒーに溶けていくように、これら液体にすっと溶けて一体となるのです。 塩化アルミニウムの最も注目すべき性質は、肌や粘膜をキュッと引き締める収れん作用です。肌に塗ると、その部分の表面が引き締まり、毛穴が目立ちにくくなります。この作用こそが、塩化アルミニウムが化粧品に配合されている大きな理由です。汗を抑える制汗剤や、肌を引き締める化粧水などに広く利用されています。