培養細胞

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アンチエイジング

美肌の鍵、線維芽細胞の秘密

私たちの肌は、大きく分けて三層構造になっています。表面にある表皮、その下の真皮、そして一番奥にある皮下組織です。真皮には、肌の柱となる大切な細胞が存在します。それが線維芽細胞です。 線維芽細胞は、例えるなら工場のような役割を果たしています。肌にとって大切な成分を生み出す工場です。線維芽細胞が生み出す成分は、肌のハリや弾力を保つために欠かせません。具体的には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった成分です。これらは、細胞と細胞の間を満たす細胞外マトリックスと呼ばれる成分です。 コラーゲンは、肌の骨組みとなる繊維状のたんぱく質で、肌に弾力やハリを与えています。エラスチンは、コラーゲン同士を結びつけ、肌に伸縮性を与えています。ゴムのように伸び縮みすることで、肌のしなやかさを保つのに役立っています。ヒアルロン酸は、水分を保つ力に非常に優れており、肌の潤いを保つのに重要な役割を果たしています。まるでスポンジのように水分を蓄え、みずみずしい肌を保ちます。 これらの細胞外マトリックスは、線維芽細胞が活発に働くことで生成されます。線維芽細胞が活発であれば、細胞外マトリックスもたくさん作られ、肌の水分もしっかり保たれ、ハリや弾力のある、若々しい肌を保つことができます。逆に、線維芽細胞の働きが弱くなると、これらの成分が十分に作られなくなり、肌のハリや弾力が失われ、シワやたるみといった老化現象が現れてしまいます。つまり、線維芽細胞の働きを保つことは、美しい肌を保つために欠かせないと言えるでしょう。