
化粧品の色:見た目と塗ったときの違い
私たちは、日常生活の中で、空の青、草木の緑、花の赤など、実に様々な色に囲まれて暮らしています。しかし、これらの色がどのようにして見えているのか、深く考えたことはあるでしょうか。私たちが色を認識できるのは、物体が光を反射または吸収し、その反射または吸収された光が目に入ることで、脳がそれを色として認識するからです。 例えば、赤いリンゴは、太陽光線の中の赤い光を反射し、それ以外の色の光を吸収しているため、赤く見えます。
同じ赤いリンゴでも、表面にツヤがあるかないかで、色の鮮やかさが違って見えるのはなぜでしょうか。これは、光の反射の仕方が異なるためです。ツヤのある表面は、鏡のように光を規則的に反射します。この反射を「正反射」と言います。正反射によって、強い光が目に入り、色は鮮やかで濃く見えます。一方、ツヤのない表面は、光を様々な方向に散乱させます。この反射を「乱反射」と言います。乱反射では、光が弱まり、色は薄く、ぼんやりと見えます。
化粧品の色も、この光の反射の原理によって見え方が大きく変わります。ファンデーションを考えてみましょう。肌の表面が滑らかでツヤがある場合、ファンデーションの色は濃く、鮮やかに見えます。反対に、肌の表面が乾燥して荒れている場合、ファンデーションの色は薄く、くすんで見えます。そのため、化粧下地などで肌の表面を整え、光を綺麗に反射するようにすることが、美しい仕上がりのためには重要です。口紅も同様で、唇の状態によって色の見え方が変わります。唇が乾燥していると、光が乱反射し、色がくすんでしまいます。リップクリームなどで唇を保湿し、表面を滑らかにすることで、口紅本来の色を鮮やかに発色させることができます。このように、色と光の関係を理解することは、化粧品を選ぶ際や、メイクをする際に非常に役立ちます。