更年期

女性の人生において、更年期は体が大きく変化する時期です。閉経を挟んだ前後10年間を指す更年期には、卵巣の働きが徐々に弱まり、女性らしさを保つのに大切な役割を果たす女性ホルモン、エストロゲンの分泌量が減っていきます。エストロゲンは、肌のハリや弾力を保つコラーゲンや水分を保つヒアルロン酸の生成を促すため、分泌量の減少は肌への影響が大きいと言えます。まるで植物が水を失ってしおれるように、肌の水分も失われて乾燥しやすくなります。また、肌の表面を覆う油分である皮脂の分泌も少なくなるため、肌を守るバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなってしまいます。 これらの変化によって、肌のハリや弾力が失われ、しわやたるみが目立つようになるだけでなく、乾燥によるかゆみや赤み、顔色が悪く見えるくすみなども起こりやすくなります。更年期を迎えた多くの女性が、これらの肌の変化に悩みを抱えています。鏡を見るたびに、以前とは違う自分の肌に戸惑いを感じ、気持ちが沈んでしまう方もいるかもしれません。しかし、更年期の肌トラブルは適切な方法で肌を手入れすることで改善できます。毎日の肌の手入れを丁寧に行うことで、加齢による変化に対応し、若々しく健康的な肌を保つことが可能です。諦めずに、自分に合った方法を見つけることが大切です。 具体的には、肌の乾燥を防ぐために、化粧水や乳液などでしっかりと保湿を行いましょう。洗顔後すぐに化粧水をつけ、肌の水分を逃さないように乳液やクリームで蓋をするように保湿ケアを徹底することが重要です。また、紫外線は肌の老化を促進させるため、日焼け止めを毎日塗る習慣を身につけましょう。バランスの取れた食事や十分な睡眠も、健康な肌を保つためには欠かせません。更年期は心身ともに負担がかかりやすい時期です。肌のケアだけでなく、心も体も労わりながら、健やかに過ごせるように心がけましょう。

女性の人生において、生殖機能を持つ時期から持たなくなる時期への移り変わりを更年期と言います。閉経をはさんだ前後10年間、おおよそ45歳から55歳頃を指し、この時期は卵巣の働きが衰え始め、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量が急激に減少し始めます。ホルモンの減少は、心身に様々な変化をもたらします。 代表的な症状として、ほてりやのぼせ、発汗、めまい、動悸、頭痛、肩こり、倦怠感などが挙げられます。また、イライラしやすくなったり、気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなるなど、精神的な症状が現れることもあります。加えて、肌や髪、骨、血管などにも変化が現れます。肌の乾燥やくすみ、髪の毛のパサつきや薄毛、骨密度の減少、動脈硬化のリスク増加などが挙げられます。これらの症状は、ホルモンバランスの乱れが主な原因と考えられています。 更年期における症状やその程度は人それぞれです。全く症状を感じない人もいれば、日常生活に支障が出るほど強い症状に悩む人もいます。症状が重い場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。治療には、ホルモン補充療法や漢方薬、向精神薬など、様々な方法があります。医師と相談し、自分に合った治療法を見つけることが大切です。 更年期は、誰しもが経験する自然な体の変化です。この時期を健やかに過ごすためには、まず自分の体の変化を理解し、受け入れることが大切です。そして、バランスの良い食事、適度な運動、質の良い睡眠を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。また、趣味や人との交流を楽しむなど、気分転換をすることも大切です。家族や友人など、周囲の理解とサポートも、更年期を乗り越える上で大きな力となります。