
油で水を包む技術:化粧品における油中水型エマルション
油中水型乳化物は、水と油を混ぜ合わせたもののうち、小さな水の粒が油の中に散らばっている状態のことを指します。ちょうど、油という大きな器の中に、無数の小さな水風船が浮かんでいる様子を想像してみてください。身近な例では、マヨネーズが挙げられます。マヨネーズでは、酢が油の中に小さな粒となって分散しています。この、分散している水の部分を分散相、それを包み込んでいる油の部分を連続相と呼びます。油中水型乳化物は、専門用語ではw/o型乳化物とも呼ばれ、化粧品の世界では乳液やクリームなど、様々な製品に活用されています。
この油中水型乳化物の特徴は、外側に油の層があるという点です。そのため、肌に塗ると、油の性質が強く現れます。具体的には、油特有の滑らかな感触で、肌がしっとりとなめらかになります。まるで、薄い油のベールで肌を包み込むような感覚です。さらに、油には水をはじく性質があるため、油中水型乳化物で作られた化粧品は、肌の水分が蒸発するのを防ぎ、肌の潤いを保つ効果も期待できます。乾燥が気になる方や、しっとりとした使い心地を求める方に適していると言えます。また、この油の膜は、外部からの刺激や乾燥、紫外線などから肌を守る役割も担っています。まるで、肌に鎧を着せるように、外的要因から肌を守ってくれるのです。
油中水型乳化物は、油の特性を活かして、肌に潤いを与え、保護する効果が期待できるため、乾燥肌の方や、外的刺激から肌を守りたい方におすすめの乳化物です。