
敏感肌の基礎知識
敏感肌とは、少しの刺激でも赤みやかゆみ、ひりひり感といった様々な肌の不調が現れやすい状態を指します。健康な肌は、まるでバリアのように外部からの刺激や細菌、ウイルスなどの侵入を防ぐ働きが正常に機能しています。このバリア機能の中心的な役割を担っているのが、肌の一番外側にある角層と呼ばれる部分です。角層はレンガのように積み重なった細胞と、その細胞の間を埋める細胞間脂質で構成されており、水分を保ち、外部からの刺激をブロックする役割を果たしています。
しかし、敏感肌の場合、この角層のバリア機能が低下していることが多いです。主な原因として、角層の水分量が不足していることが挙げられます。水分が不足すると、角層の細胞間脂質がうまく機能せず、バリアの隙間が広がり、外部からの刺激が肌内部に侵入しやすくなります。結果として、少しの刺激でも炎症反応が起こりやすくなり、赤みやかゆみ、ひりひり感などの症状が現れるのです。また、乾燥もバリア機能の低下を招く大きな要因の一つです。乾燥によって角層の細胞が縮んで隙間ができ、バリア機能がさらに低下し、刺激を受けやすい状態になってしまいます。
さらに、敏感肌は生まれつきの体質やホルモンバランスの変化、ストレス、生活習慣の乱れ、間違ったスキンケアなど、様々な要因が複雑に絡み合って引き起こされると考えられています。ただ単に乾燥肌というわけではなく、バリア機能の低下によって、少しの刺激にも過敏に反応してしまう状態と言えるでしょう。そのため、スキンケアでは低刺激性の製品を選び、肌への摩擦を避け、優しくケアすることが大切です。規則正しい生活習慣を心がけ、ストレスを溜め込まないことも、敏感肌の症状を和らげるために重要です。