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肌と心のつながり:大脳皮質の影響

頭蓋骨の中に、脳の働きを担う大切な場所があります。それが大脳皮質です。まるで薄い布のように、頭蓋骨の内側にぴったりとくっついている大脳皮質。その厚さは数ミリほどしかありませんが、もし広げることができたら、なんと新聞紙一枚ほどの大きさになります。この薄い層の中に、およそ1400億個もの神経細胞がぎっしりと詰まっているのです。想像もできないほどの数の神経細胞たちが、複雑に絡み合い、電気信号をやり取りすることで、私たちの心と体を動かしています。 この大脳皮質は、いわば脳の司令塔のような役割を担っています。私たちが何かを考えたり、感じたり、行動したりするとき、必ずこの大脳皮質が働いています。例えば、美しい夕焼けを見て感動したり、難しい問題を考えて答えを導き出したり、友達と楽しくおしゃべりをするのも、すべて大脳皮質のおかげです。さらに、大脳皮質は記憶や学習にも深く関わっています。子供の頃に覚えた自転車の乗り方や、学生時代に学んだ知識を大人になっても覚えているのは、大脳皮質が情報を蓄積し、必要な時に取り出してくれるからです。 大脳皮質は、いくつかの領域に分かれており、それぞれが異なる役割を担っています。前頭葉は、思考や判断、計画などを司る領域です。何かを決断したり、将来のことを考えたりするときに活発に働きます。側頭葉は、聴覚や記憶に関わる領域で、言葉を理解したり、音楽を聴いたりするときに重要な役割を果たします。頭頂葉は、触覚や空間認識に関わる領域で、物に触れた時の感触や、自分の体の位置を認識するのに役立っています。後頭葉は視覚に関わる領域で、目から入ってきた情報を処理し、私たちが見ている世界を認識させてくれます。このように、それぞれの領域が連携して働くことで、私たちは複雑な活動を行うことができるのです。まさに、私たちが人間らしくあるための大切な器官と言えるでしょう。