
顔色とヘモグロビンの関係
血液の赤い色のもととなる「血色素」、それが赤血球の中にぎっしり詰まっている「ヘモグロビン」です。このヘモグロビンは、体中に酸素を送り届ける、いわば「酸素の運び屋」として、とても大切な働きをしています。
ヘモグロビンは大きく分けて二つの部品からできています。一つは「ヘム」と呼ばれる色素を持つ部分。もう一つは「グロビン」と呼ばれるたんぱく質の部分です。例えるなら、ヘムは酸素を乗せる「荷台」で、グロビンは荷台を支える「土台」のようなものです。
ヘムの中心には鉄があり、この鉄が磁石のように酸素分子を引き寄せます。肺で呼吸したときに、酸素はこの鉄にくっつき、ヘモグロビンは全身をめぐります。そして、酸素を必要としている体の隅々にまで、酸素を届けていきます。酸素を離したヘムは、また肺へと戻り、再び酸素を受け取ります。
グロビンはヘムを包み込むように存在し、ヘムがしっかりと働くように支えています。このグロビンがあるおかげで、ヘムは酸素を効率よく運ぶことができるのです。
ヘモグロビンの色は、酸素と結びついているかいないかで変化します。酸素と結びついていないときは暗い赤色、酸素と結びつくと鮮やかな赤色になります。これは、ヘムの中の鉄の状態が変化するためです。健康診断で血液検査をするのは、このヘモグロビンの量などを調べることで、体の中の酸素がうまく運ばれているかを確認するためです。健康を保つためには、バランスのよい食事などで、ヘモグロビンを作るのに必要な栄養をしっかり摂ることが大切です。