血行

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顔色とヘモグロビンの関係

血液の赤い色のもととなる「血色素」、それが赤血球の中にぎっしり詰まっている「ヘモグロビン」です。このヘモグロビンは、体中に酸素を送り届ける、いわば「酸素の運び屋」として、とても大切な働きをしています。 ヘモグロビンは大きく分けて二つの部品からできています。一つは「ヘム」と呼ばれる色素を持つ部分。もう一つは「グロビン」と呼ばれるたんぱく質の部分です。例えるなら、ヘムは酸素を乗せる「荷台」で、グロビンは荷台を支える「土台」のようなものです。 ヘムの中心には鉄があり、この鉄が磁石のように酸素分子を引き寄せます。肺で呼吸したときに、酸素はこの鉄にくっつき、ヘモグロビンは全身をめぐります。そして、酸素を必要としている体の隅々にまで、酸素を届けていきます。酸素を離したヘムは、また肺へと戻り、再び酸素を受け取ります。 グロビンはヘムを包み込むように存在し、ヘムがしっかりと働くように支えています。このグロビンがあるおかげで、ヘムは酸素を効率よく運ぶことができるのです。 ヘモグロビンの色は、酸素と結びついているかいないかで変化します。酸素と結びついていないときは暗い赤色、酸素と結びつくと鮮やかな赤色になります。これは、ヘムの中の鉄の状態が変化するためです。健康診断で血液検査をするのは、このヘモグロビンの量などを調べることで、体の中の酸素がうまく運ばれているかを確認するためです。健康を保つためには、バランスのよい食事などで、ヘモグロビンを作るのに必要な栄養をしっかり摂ることが大切です。
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皮膚温と健康と美容の関係

肌の表面の温度は、読んで字のごとく皮膚温と呼ばれます。これは、体の内部の温度、つまり体温とは少し違います。体温は、健康な状態であればほぼ一定に保たれていますが、皮膚温は、周りの環境や体の状態によって変化しやすい特徴があります。 例えば、気温を考えてみましょう。暑い日に外を歩くと、周りの空気の温度が高いので、肌の表面も温められて皮膚温は上がります。反対に、寒い日に外を歩くと、周りの空気の温度が低いので、肌の表面の熱が奪われ、皮膚温は下がります。 着ている服も皮膚温に影響を与えます。厚着をすると、服が断熱材のような役割を果たし、体の熱が外に逃げにくくなるため、皮膚温は上がります。逆に、薄着をすると、体の熱が外に逃げやすくなるため、皮膚温は下がります。 皮膚温は、周りの環境だけでなく体の内部の状態も反映します。激しい運動をした後には、体内で熱が産生されるため体温が上がり、それに伴って皮膚温も上昇します。また、緊張したり興奮したりすると、自律神経の一つである交感神経が活発になり、血管が縮んで血流が抑えられます。すると、体の表面に流れる血液の量が減るため、皮膚温は低下します。 このように皮膚温は、様々な要因によって変化するため、常に一定ではありません。周りの気温や着衣、運動、感情の変化など、様々な要因が皮膚温に影響を与えることを理解しておくことが大切です。また、皮膚温の変化を知ることで、体の状態をある程度把握することも可能になります。
血行促進

美肌の鍵、皮膚血流の秘密

私たちの肌は、一見静かそうですが、実は活発に活動しています。肌の内部では、常に血液が巡り、細胞に栄養を供給し、不要なものを回収しています。これを皮膚の血液の流れと呼び、肌の健康を保つ上で非常に大切です。 皮膚の血液の流れは、体全体の血液循環の一部であり、特に微小循環と呼ばれるシステムに属します。微小循環は、毛細血管といった細い血管で行われる血液の流れです。まるで体中の細胞一つ一つに栄養を届けるための、精巧な配達網のようです。この微小循環によって、細胞は酸素や栄養といった生きるために必要なものを受け取り、同時に、活動によって生じた二酸化炭素や老廃物といった不要なものを排出しています。まさに細胞の生命維持システムと言えるでしょう。 微小循環は、細胞への栄養供給以外にも重要な役割を担っています。血圧の調整や血液の貯蔵にも関わっており、体全体の健康維持に欠かせません。微小循環が滞りなく行われることで、肌細胞は活発に働き、新陳代謝が促進されます。その結果、肌の健康状態が良好に保たれ、ハリやツヤといった美しさにつながります。逆に、微小循環が滞ると、肌細胞への栄養供給や老廃物の排出がうまくいかなくなり、肌のくすみやしわ、たるみなどの原因となることもあります。規則正しい生活習慣やバランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、健やかな微小循環を維持することで、いつまでも若々しい美しい肌を保つことができるでしょう。
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皮膚温と美容の関係

肌の表面の温度のことを、肌の温度と言います。これは、体の内部の温度とは違い、常に一定ではなく、様々な要因で変化します。例えば、寒い屋外に出れば肌の温度は下がり、暑い屋外に出れば肌の温度は上がります。また、風が吹いても肌の温度は変わります。これらは外からの影響によるものですが、体の内側からの影響もあります。年を重ねると、肌の温度は下がりやすくなります。これは、加齢に伴い体の機能が低下し、熱を作り出す能力が弱まるためです。また、皮下脂肪の厚さも肌の温度に影響を与えます。脂肪の多い部分は、保温効果が高いため温度が低く、脂肪の少ない部分は熱が逃げやすいため温度が高くなります。例えば、お腹は脂肪が多いため温度が低く、手足は脂肪が少ないため温度が高くなる傾向があります。さらに、時間帯によっても肌の温度は変化します。一般的に、朝は低く、夕方は高くなる傾向があります。これは、人間の体が朝は活動を始める準備段階にあり、夕方は活動を終え休息に向かう準備段階にあるためだと考えられます。また、運動や入浴後には一時的に上昇します。運動をすると、筋肉が活発に動き、熱を生み出すため、体温が上昇し、それに伴い肌の温度も上昇します。入浴も同様に、体が温まることで肌の温度も上昇します。汗をかくことも肌の温度に影響を与えます。汗は蒸発する際に体の熱を奪うため、体温調節の役割を果たしています。そのため、汗をかくと肌の温度は下がります。このように肌の温度は、様々な要因によって変化するため、肌の状態を知る上でも肌の温度を意識することは大切です。
血行促進

美肌の鍵、皮膚血流の秘密

私たちの肌は、表面上は滑らかに見えますが、その奥深くでは常に血液が流れています。まるで体中に張り巡らされた網の目のように、毛細血管と呼ばれる細い血管が肌のすみずみまで酸素や栄養を運んでいるのです。この、肌の血管を流れる血液の動きこそが、肌の血流です。 肌の血流は、健康な肌を保つ上で欠かせない役割を果たしています。血液によって運ばれた酸素や栄養は、肌の細胞一つ一つに活力を与え、新しい細胞を生み出すためのエネルギーとなります。同時に、血流は、細胞活動で生じた老廃物を回収し、体外へ排出する役割も担っています。いわば、肌の健康維持のための運び屋と言えるでしょう。 この血流が滞ってしまうと、様々な肌トラブルを引き起こす原因となります。酸素や栄養が不足すると、肌の細胞は元気を失い、新陳代謝が鈍くなります。また、老廃物がスムーズに排出されずに蓄積すると、肌の透明感が失われ、くすみの原因となります。さらに、血行不良は、肌の乾燥、シワ、たるみなど、年齢肌のサインを加速させることにも繋がります。 若々しく健康な肌を保つためには、この血流を良好に保つことが重要です。例えば、適度な運動やマッサージは、血行促進に効果的です。また、バランスの良い食事や十分な睡眠も、健康な血流を維持するために欠かせません。毎日の生活習慣を見直し、肌の血流を意識することで、内側から輝く美しい肌を手に入れることができるでしょう。