
化粧品の安全性を守るCIRとは?
化粧品は、私たちの暮らしを彩り、清潔さや美しさを保つ上で欠かせないものとなっています。しかし、肌に直接つけるものだからこそ、その安全性について関心を持つ方も多いのではないでしょうか。毎日使うものだからこそ、安全で安心して使える製品を選びたいものです。そこで、化粧品の安全性を確保するために重要な役割を担っているのが、CIR(化粧品成分審査委員会)です。
CIRとは、米国化粧品工業会理事会が計画した化粧品成分の総合的な点検のことを指します。その設立の背景には、化粧品を作る会社が製品の安全性を評価する際の負担を軽くするという目的がありました。
アメリカの法律では、化粧品を作る会社は、製品と成分の安全性を保証する責任があります。もし安全性が確認できない場合は、注意書きを表示する義務があります。しかし、化粧品にはたくさんの成分が含まれており、それぞれの会社がすべての成分の安全性を一つ一つ評価していくのは、大変な手間と時間がかかる作業でした。膨大な費用もかかります。
そこで、業界全体で協力して、少なくとも広く使われている成分の安全性を評価することで、個々の会社の負担を減らすことが求められました。みんなで協力して安全性を評価することで、より多くの会社が安心して化粧品を作ることができるようになります。この考え方は、業界の自主規制と呼ばれ、CIR設立の礎となりました。CIRは、専門家による科学的な評価に基づいて成分の安全性を確認し、その結果を公表することで、消費者が安心して化粧品を選べる環境づくりに貢献しています。まるで、化粧品の安全を守る番人のような存在と言えるでしょう。