CVRR

私たちの心臓は、常に一定のリズムで鼓動しているように感じますが、実は鼓動と鼓動の間隔は微妙に変化しています。このわずかな変化こそが「心拍変動」または「心電図RR間隔ゆらぎ」と呼ばれるもので、自律神経の働きと深く関わっています。 自律神経とは、私たちが意識しなくても体の機能を調整してくれる神経系のことです。この自律神経には、交感神経と副交感神経という二つの種類があります。交感神経は、私たちが活動している時や緊張している時に活発になり、心臓の鼓動を速くします。反対に、副交感神経は、リラックスしている時や寝ている時に活発になり、心臓の鼓動をゆっくりにします。 心拍変動は、この交感神経と副交感神経の働きのバランスを表しています。心拍のゆらぎが大きいということは、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われていることを示し、自律神経のバランスが良い状態と言えます。逆に、心拍のゆらぎが小さい場合は、自律神経のバランスが乱れている可能性があります。 心拍のゆらぎは、まるで私たちの体の状態を映し出す鏡のようです。規則正しい生活や適度な運動、バランスの良い食事を心がけることで、心拍のゆらぎを大きくし、自律神経のバランスを整えることができます。また、深い呼吸をする、ゆったりとした音楽を聴く、自然の中で過ごす時間も、副交感神経を優位にし、心拍のゆらぎを大きくするのに役立ちます。日々の生活の中で、心拍のゆらぎに意識を向けることで、自分の体の状態を知り、健康管理に役立てることができるでしょう。