
美肌の鍵、ヒドロキシ酸徹底解説
水酸基とカルボキシル基、二つの性質を持つ有機化合物をまとめて水酸基カルボン酸と呼びます。別の言い方として、オキシ酸、水酸基酸、オキシカルボン酸などとも呼ばれています。身近なところでは、乳酸や酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などがこの仲間に入ります。これらの物質は、お酒やぶどう、柑橘系の果物、りんごなど、私たちがよく口にする食品にも含まれているのです。
水酸基カルボン酸の特徴は、お酒の性質を持つ水酸基と、酸の性質を持つカルボキシル基、両方の性質を兼ね備えているという点です。この二つの性質を持つことで、他の物質とは異なる様々な反応を起こすことができます。例えば、水酸基の働きで水と結びつきやすく、カルボキシル基の働きで金属と反応して塩を作ることも可能です。
さらに、水酸基カルボン酸はカルボキシル基と水酸基の位置関係によって、α-水酸基カルボン酸、β-水酸基カルボン酸、γ-水酸基カルボン酸、δ-水酸基カルボン酸などに細かく分けられます。α、β、γ、δといったギリシャ文字は、カルボキシル基がくっついている炭素原子から、水酸基がくっついている炭素原子がどれだけ離れているかを表しています。α-水酸基カルボン酸であれば、カルボキシル基と同じ炭素原子に水酸基がくっついています。β-水酸基カルボン酸であれば、カルボキシル基の隣の炭素原子に水酸基がくっついている、といった具合です。
このように、水酸基とカルボキシル基の位置関係の違いは、それぞれの水酸基カルボン酸の性質に大きな影響を与えます。例えば、酸としての強さや、他の物質との反応のしやすさなどが変わってきます。この構造の違いによって、様々な食品や工業製品などに幅広く利用されているのです。