
化粧品成分:ポリエチレングリコールの役割
ポリエチレングリコールは、酸化エチレンと水、もしくは酸化エチレンとエチレングリコールを結び合わせて作られる化合物です。いくつもの酸化エチレンが鎖のように繋がってできており、その鎖の長さが様々なので、単一の物質ではなく、性質の似た化合物の混合物です。
水によく溶ける性質を持っています。さらに、水に溶けない物質を細かい粒にして水の中に均一に分散させる力も持っています。このため、様々な製品に活用されています。
ポリエチレングリコールは、分子量、つまり分子の大きさによって、その形状が変化します。分子量の小さいものから見ていくと、平均分子量が200から600程度までのものは、無色透明の液体です。蜂蜜のようなとろみのある液体から、少し粘り気のある液体まで、分子量によって粘度合いが変化します。平均分子量が1000を超えると、ロウソクのような固体になります。固体のものは、融点が体温よりも高いため、常温では固体のままです。
化粧品では、様々な製品にポリエチレングリコールが使用されています。例えば、クリームや乳液には、油と水を混ぜ合わせるために、また、滑らかな感触を与えるために使われています。石けんには、泡立ちをよくしたり、洗浄力を高めるために配合されています。シャンプーやリンス、ヘアケア製品には、髪に潤いを与えたり、指通りを良くするために使われています。このように、ポリエチレングリコールは、化粧品の様々な用途で活躍する、なくてはならない成分の一つです。