
パーマ液の成分とにおい
硫化水素は、パーマ液の独特のにおいのもととなる気体です。温泉のにおいにも含まれており、どこかでかいだことがあるにおいかもしれません。化学式はH2S、分子量は34.1で、沸点が-60℃と低いことから、すぐに気体になります。
この気体は、パーマ液以外にも、私たちの身近なところで発生しています。例えば、生ごみやトイレ、卵の腐敗臭などです。腐った卵のにおいと表現されることが多く、特有の不快なにおいがあります。同じパーマ液のにおいのもとであるメチルメルカプタンに比べると、においは弱いとされていますが、発生しやすい特徴があります。そのため、様々な場面で硫化水素のにおいを感じることがあります。
硫化水素は、におい以外にも注意しなければならない点があります。それは毒性です。空気中にわずかに含まれているだけでも、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。高濃度の硫化水素を吸い込むと、呼吸困難を引き起こしたり、意識を失ったりする危険性があります。ごくわずかな量でも、長期間にわたって吸い続けると、目やのどに刺激を感じたり、頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。
硫化水素は少量でも毒性があるため、少しでもにおいを感じたら、すぐに換気をしましょう。窓を開ける、換気扇を回すなどして、空気を入れ替えることが大切です。パーマ液を使用する際は、特に注意が必要です。使用中はもちろん、使用後もしばらくは換気を続け、空気中に残留した硫化水素を取り除きましょう。また、生ごみやトイレなど、硫化水素が発生しやすい場所では、こまめな掃除と換気を心がけることで、においを抑え、健康への悪影響を防ぐことができます。